『最強の社会調査入門』に執筆しました


しばらく前にアメブロの方で先に書きましたが、7月末より『最強の社会調査入門』が書店に並んでいます。 


今春より発売している『概念分析の社会学2』に続いて、私が分担執筆した今年2冊目の本です。発行は、『概念分析の社会学2』と同じ京都のナカニシヤ出版さん。


本書では、各執筆陣による自身の(多くは院生時代の)調査や論文執筆上の実エピソードが数多く紹介されています。


読者が調査を自信を持って行えるよう道筋を示してあげることを主眼に置く従来の社会調査本に比べて、本書はそのような意味でイレギュラーと言えるでしょう。


ですが、執筆陣は何も自身の過去の暴露本を出しにきているのではありません。


社会調査とは何なのか、何をすれば社会調査になるのか(あるいは何をしたらそうはならないのか)。


それを考え抜くための素材として、自身の体験や経験を振り返るという方法が採られたのです。


本書が主たるテーマとする質的調査法には、マニュアル化できるような定型的なやり方はありません。


定めた目標に向かって単線的に突き進むことができることはまずありませんし、そのようなやり方がよいとも限りません。そもそも定型化が可能な対象領域でもないのでしょう。


だからといって、「何でもあり」や無手勝流で進められるわけでは、当然ない。


本書はそのよう意味で、扇動的な本です。



本書のタイトルと表紙に、思わず苦笑いされた方もいらっしゃるでしょう。 いいんですよ。かくいう私自身も、その一人でしたから。


でも。


私はこう考えるんです。


自分こそが「最強」なのだと思えるくらいの気概が一度はなければ、研究なんてできないんじゃないか。


それがただの思い込みで、後で恥ずかしい思いをすることもあるでしょう。


それでも。


マックス・ヴェーバーが「にもかかわらず Denn noch!」と言えるものだけが政治への資格を持つ、と述べたように、私たち研究者はDenn nochを繰り返しているはずです。そうしてきたはずです。


本書はそのような意味で、正直な本です。



本書には、巻末に「テキストデータ引換券」が付属しています。 これもまたユニークな点ですね。


編者の木下衆氏によるご紹介がありますので、以下に部分的に転載します。 


テキストデータ引換券とは、視覚障害や肢体不自由などの理由で、紙媒体の本を利用することが困難な読者が、 購入した書籍のテキストデータを出版社から提供してもらうときに送る引換券のことを指します。 そのテキストデータを、例えば音声読み上げソフトなどで読み上げることにより、障害のある読者も本書の内容にアクセスできるようになります。[中略] もし、「紙媒体の本にはアクセスしづらいが、テキストデータならば大丈夫」といった研究者がお知り合いにいらっしゃいましたら、 この引換券のこともあわせて宣伝して下さい。  


下記のサイトも是非ご訪問ください。


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